株式会社 カリブ・コラボレーション

激レアの魚・エボシダイ

夏の香り。刺すような日差し。セミの声。
毎日でも海に行きたくてたまらない香里武です。

そう、僕の1番の趣味は、海水魚の採集。
釣り? いえいえ、違います。
アミを持って、港に這いつくばって、
水面に浮かぶ魚の赤ちゃんをすくうのです。
そして家に連れて帰り、水槽で大切に育てる。
マイナーな趣味ですね。

22年間も続けていると、目が特殊な構造になるのか、
最近はどんな小さな魚でも、地味な色をしていても、
遠くにいても、海面が日光を反射していても、
確実に見つけ出して、種類まで特定できるようになりました。
マイナーな特技ですね。

さて、そんな我が家の採集史に衝撃を与える出逢いが、今年もありました。
その名も「エボシダイ」。

エボシダイ
カツオノエボシという猛毒のクラゲをご存知でしょうか。
エボシダイは、幼魚の間、カツオノエボシにくっついて過ごします。
クラゲの猛毒を利用して、身を守っているのですね。
そして、大きくなると、深海へ潜っていきます。

エボシダイ正面
そんなエボシダイ。とにかく元気な姿で採集できることが稀なのです。
沖にぷかぷか浮いているせいか、ダイバーもあまり遭遇することはなく、
検索しても映像がほとんど出てきません。
図鑑にもなかなか良い写真が載っていません。
水族館でも見たことがありませんでした。

そんなエボシダイの幼魚を採集してしまったわけですよ。
今、我が家の水槽で元気に泳いでいるんですよ。
さらに、エサをバクバク食べているのです!
食事シーンこそ、本当に映像記録がありません。
というわけで、撮影しました。
 

特徴は、なんといっても扇子のように広がった美しい腹びれ。
アゲハ蝶のようにも見えます。
メタリックな銀色の体に不思議な模様。
胸びれを羽ばたくように動かす独特の泳ぎ。
神秘的です!

ちなみに、昨年もエボシダイに勝るとも劣らない珍魚に出逢いました。
クルマダイの赤ちゃんです。
赤くて、丸っこくて、目が大きくてかわいらしい魚なのですが、
赤ちゃんの頃は真っ黒です。
採集した子は1.5センチでしたが、この大きさが日本近海で見つかるのは
とても珍しいことだそうです。
こちらもエサをバクバク食べる貴重な映像を撮影してあります。

魚の採集は、僕にとっては確かに趣味・娯楽です。
それでも、時々このような学術的に貴重な発見があります。
この言い方はあまり使いたくないですが、「貴重な資料が手に入る」のです。
飼育・観察を通して見えてきたことが、魚の研究にとって何らかの役に立つのなら、
僕は自分の趣味を誇りに思います。

今年の採集シーズンはまだまだ続きます。
どんな宝物に出会えるかな?
 
【追記】(2014.09.03)
珍魚との出逢いが立て続けにやってきます。
今度は、エボシダイの「親戚」にあたる魚、クラゲウオ!
やはりクラゲの触手の間で身を守って過ごす魚です。

kurageuo
見て下さい、この羽衣のような身体!
色も半透明で、まさにクラゲのお供というかんじですね。

こうして、エボシダイとクラゲウオ、
激レア親戚の夢のツーショットが実現しました。

eboshi&kurage
なんだか睨み合っているように見えますが、たまたまです。
ケンカしている様子はありません。
映像もありますよ。


 

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