株式会社 カリブ・コラボレーション

2020年岸壁採集珍魚ランキング発表

年末恒例、岸壁採集で出会った珍魚ランキングの発表です。

“旅人”が多かった2020年の海。南から、深場から、様々な珍客が現れました。

移動制限でプライベートの採集旅行にほとんど行けなかったので、
登場する魚の多くがNHK「ダーウィンが来た!」のロケ期間中に
出会った子たちです。

例年ランキングの上位を深海魚が占めてきましたが、
今年は冬の海を覗いていない分、
近年で最もバラエティに富んだリストになっていると思います。

今年も約1時間、全60種の超大作になりました。
初の試みとして、全編に渡って僕が音声解説を入れています。
途中で耳がうんざりしてくると思うので、
そんなときは音声をオフにして、目でお楽しみくださいませ。

<珍魚トップ10>

1位 チカメキントキ稚魚 Cookeolus japonicus(1.7cm)

2位 ハチビキ稚魚 Erythrocles schlegelii(1.7cm)

3位 バショウカジキ稚魚 Istiophorus platypterus(1.8cm)

4位 トウガタイカ幼体 Leachia pacifica(外套長約5cm)

5位 ボロカサゴ稚魚 Rhinopias frondosa(3.5cm)

6位 ミシマオコゼ類稚魚 Uranoscopus sp.(1.5cm)

7位 サクラダイ稚魚 Sacura margaritacea(2cm)

8位 メガネゴンベ稚魚 Paracirrhites arcatus(2.7cm)

9位 エボシダイ幼魚 Nomeus gronovii(2.3cm)

10位 タコブネ幼体 Argonauta hians(殻直径3cm)

別枠 カクレウオ類幼魚 Encheliophis sp.(約11cm)

 

<初めて出会った生き物たち(季節順)>

No.1 ミズヒキガニ類のメガロパ幼生 Eplumura sp.(0.8cm)
No.2 アオイガイのオス Argonauta argo(外套長1cm)
No.3 ホタルイカモドキ幼体 Enoploteuthis chunii(外套長1.7cm)
No.4 ヒカリウミウシ Plocamopherus tilesii(約2.5cm)
No.5 ノコギリガニ Schizophrys aspera(甲幅4cm)
No.6 ヒメツバメウオ稚魚 Monodactylus argenteus(約0.8cm)
No.7 マルコバン稚魚 Trachinotus blochii(約2.5cm)
No.8 ボウヨウジ Phoxocampus belcheri(約4cm)
No.9 ソラウミヘビ幼魚 Leiuranus semicinctus(約15cm)
No.10 フシウデサンゴモエビ Saron marmoratus(約2.5cm)
No.11 コショウダイ類稚魚 Plectorhinchus sp.(約1cm)
No.12 コガネスズメダイ稚魚 Chromis albicauda(1.3cm)
No.13 アカモンガラ稚魚 Odonus niger(4.5cm)
No.14 ヒトヅラハリセンボン稚魚 Diodon liturosus(1.7cm)
No.15 コチ類稚魚 Onigocia sp.?(2cm)
No.16 ナンヨウアゴナシ幼魚 Polydactylus sexfilis(6.5cm)
No.17 ホタテウミヘビ幼魚 Ophichthus altipennis(18cm)
No.18 トゲダルマガレイ稚魚 Bothus pantherinus(4cm)
No.19 オニベラ稚魚 Stethojulis trilineata(2cm)
No.20 クダリボウズギス類稚魚 Gymnapogon sp.(2.3cm)
No.21 ニシキフウライウオ Solenostomus paradoxus(約5.5cm)
No.22 ホソウミヤッコ Halicampus boothae(9cm)
No.23 ヤセアマダイ稚魚 Malacanthus brevirostris(5cm)
No.24 ヒゲナガモエビ類幼生 Lysmata sp.(約2cm)

 

<過去最小記録更新(季節順)>

No.25 ハナオコゼ稚魚 Histrio histrio(1.2cm)
No.26 キンギョハナダイ稚魚 Pseudanthias squamipinnis(2cm)
No.27 シマウミスズメ稚魚 Lactoria fornasini(1cm)
No.28 ツマジロモンガラ稚魚 Sufflamen chrysopterum(3cm)
No.29 イソギンポ稚魚 Parablennius yatabei(2cm)
No.30 カエルウオ稚魚 Istiblennius enosimae(2cm)
No.31 ウスバハギ幼魚 Aluterus monoceros (6cm)
No.32 ツバメコノシロ幼魚 Polydactylus plebeius(3cm)
No.33 カエルアンコウ類稚魚 Antennarius sp.(0.7cm)
No.34 クラゲウオ稚魚 Psenes arafurensis(1.8cm)
No.35 オトヒメエビ幼生 Stenopus hispidus(約2cm)
No.36 ヤリガレイ稚魚 Laeops kitaharae(6.5cm)

 

<その他のユニークな珍生物たち(季節順)>

No.37 カナガシラ類稚魚 Lepidotrigla sp.(1.5cm)
No.38 アナゴ類のレプトケファルス幼生 Ariosoma sp.?(8cm)
No.39 カミソリウオ Solenostomus cyanopterus(5~13cm)
No.40 ダンゴウオ Lethotremus awae(1.5cm)
No.41 タチウオ Trichiurus lepturus(約7cm)
No.42 アカエイ幼魚 Dasyatis akajei(幅13cm)
No.43 ハチ稚魚 Apistus carinatus(1.5~1.7cm)
No.44 ハゴロモトビウオ幼魚? Exocoetus monocirrhus?(約3cm)
No.45 ハクセイハギ幼魚 Cantherhines dumerilii(12cm)
No.46 ゾウリエビのニスト幼生 Pariibacus japonicus(4.5cm)
No.47 イシガキスズメダイ稚魚 Plectroglyphidodon dickii(2cm)
No.48 スナホリガニ幼生 Hippa pacifica(1cm)
No.49 アオミシマ稚魚 Xenocephalus elongatus(3cm)

 

<例年より多かった魚>

アミモンガラ稚魚&幼魚
クラカケモンガラ稚魚
キヘリモンガラ稚魚
アミメウマヅラハギ幼魚
ソウシハギ幼魚
シマウミスズメ稚魚
クサフグ稚魚
ハリセンボン幼魚
ヒトヅラハリセンボン幼魚
マツダイ稚魚&幼魚
タカクラタツ
ミヤコキセンスズメダイ稚魚
ニセクロスジギンポ
サツマカサゴ稚魚
ツムブリ幼魚
シャコのアリマ幼生

 

海に潜ることもなく、沖へ出ることもなく、
漁港の半径数メートル以内の足元だけで生き物を観察する活動、
それが岸壁採集。

そんなごく限られた範囲にたまたま流れてきた生き物だけを見ているのですが、
それでもこんなにも多くの出会いがあるのです。

僕にとって漁港は果てしない海の世界への入り口。
足元の出会いを見つめると、
その先に広がる海がいかに豊かで生命にあふれているかを感じることができます。

人間の世界では大変なことがたくさん起きてしまった1年でしたが、
海の中は変わらず深く、強く、美しく、
魚たちは元気にたくましく生きていました。

彼らの生きざまに触れると、
健康に生活するために欠かせない感動とエネルギーを
いただけるような気がします。

2021年は、自由にのびのびと海あそびができる世の中に戻りますように!

 

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